[キム・サンチョルのコラム] グローバル景気の方向を読む2つの物差し
市場には好材料と悪材料が共存、景気の流れは力の傾きによって行方が決定

양정미 기자

登録 : 2018-06-18 15:30 | 修正 : 2018-06-18 15:42

[写真・執筆=キム・サンチョル前KOTRA北京・上海館長]


2000年代に入り、グローバル景気は先進国が主導するよりも新興国が加勢しないといけないほど状況が大きく反転されている。特に、2008年の米国発金融危機や2010年の欧州発財政危機など、経済危機を経て中国の役割が大きく浮上し、とうとう世界経済秩序の議論の中心がG7からG20になったりもした。

しかし、「世界の工場」中国の浮上は、グローバル市場での供給過剰を招き、需要の不足でデフレが固定化される、いわば「ニューノーマル(New Normal)」という新造語(存在しない新しい言葉に置き換わる)を作り出した。

これを克服するための新たな突破口の作りが必要になり、結局、技術と市場の拡張形態となった。技術は「第4次産業革命」、市場は「ポスト・チャイナ(Post China)」でより具体化され始めた。世界経済が十分に成長するためには、先進国と新興国との協力が必要であり、技術の進歩と市場の拡大が産業と市場の境界を崩すきっかけを作っている。最近までグローバル景気回復の傾向は技術と市場という二つが効果的に作用した結果と評価される。

問題はグローバル経済が上昇基調を見せているが、ファンドメンタル側面から冷静に突き詰めてみれば、依然として不安感が消えていないという点だ。先進国の景気が回復しているといっても、ほとんどの国々の政府が人為的に介入して景気を引き上げる要素が強く見られている。

そのためか、現在の景気好調をそれほど楽観的に見ない専門家も多い。その上、「 トランピズム(Trumpism)」に象徴される米国発の保護貿易が日増しに幅を利かせ、グローバル経済に冷や水を浴びせるという懸念が広がっている。ついに、先進国間の集まりであるG7首脳会談も、米国と他の6ヵ国の葛藤が深まり、最悪の状況を演出したりもした。トランプの行き過ぎた米国優先主義と同盟という概念までだんだん薄れている。ラガルドIMF専務理事は「世界経済の暗雲が日増しに強まっている」と警告をしたくらいだ。

もう一つ、グローバル経済の伏兵は米国発の金利引き上げだ。米中央銀行(Fed)が今年、金利引き上げを当初2~3回から修正して4回になる可能性を示唆し、新興国の心配がさらに高まっている。米国の国債金利は年内3.25%に上ると予想され、貿易に続き、金利戦争が一触即発の危機に広がっている格好だ。これに同調するように、欧州中央銀行(ECB)も緊縮政策に合流し、量的緩和の打ち切りを発表して火に油を注ぐ格好となった。金利の差による新興国の資本流出の可能性と恐怖が広がり、市場では「6月危機説」まで取りざたされている。我々もも安全地帯ではないが、アルゼンチン・ブラジル・インド・トルコ・南アフリカなど、主要新興国の市場は非常事態だ。基準金利の引き上げに通貨価値の下落とインフレを防御するため全力を使いながら忙しくなった。保護貿易と金利の引き上げが先進国と新興国にアキレス腱として浮上しているわけだ。

均衡的感覚で接近、韓国内部の景気はもっと早く鈍化する可能性があるという忠告を聞くべき

これによって世界景気の減速懸念が再び水面に上がっている。市場には常に悪材料と好材料が同時に存在する。第4次産業革命が主導する供給改革と新たな需要創出という動力は依然として強く市場を支えている。「世界の工場」、中国に代わってグローバル経済の新興成長センターになろうとするインド・東南アジア諸国連合などの動きも甘くない。このような好材料が市場に対して強く作用するのか、でなければ保護貿易と金利の引き上げという悪材料が市場にさらに大きな影響を及ぼすのかが景気の流れを左右するものと判断される。ただ、この時点で米国が主導する悪材料がいつまで続くのかを予測することは非常に重要である。今年11月の中間選挙までは推し進めていくだろうと判断されるが、保護貿易と金利の引き上げが持っているパラドックスも逃してはならない。米国の利上げがドル高をもたらし、これは貿易赤字をさらに煽るものだ。これがまさにトランピズムが持っているジレンマでもある。

残ったのは韓国経済がこれにどのように反応しなければならないかという点だ。海外依存度が高い経済的構造を勘案すれば、市場での好材料と悪材料をどのように治めることができるかがカギだ。バランス感覚を備えて好材料は最大限活用し、悪材料は先制的に対応する知恵が必要だ。今の市場に常在している悪材料が好材料より強く作用すれば、今後1~2年内にグローバル景気の後退が一時に直面する恐れがある。しかし、相当数の悪材料が政治的な術数で始まっていると見れば、目的がある程度達成される場合、静まる可能性がある可変性も十分ある。政治的状況によって強度の強さが変わる可能性があることを十分認知しなければならない。これよりも警戒しなければならないのは、グローバル景気より韓国内部の景気がさらに早く鈍化するという忠告だ。市場に振り回されるよりは状況を事前に読んで、これをリードしていくことができる眼目を持たなければならない。
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