一部ではあまりにも関心の対象であるため、マスコミで扱われるほど実際の事故数はそれほど多くないという話も出てるし、自動車所有者や管理者の誤りという主張もあった。
気になる部分がまさにそこだ。例えば、車両の購入期間が3~4年経過して、無償のアフターサービス期間が終わった時点で火災事故が発生すると、原因が主に運転者の車両管理ミスとして認められるという点だ。
もちろん、相当数が管理的な問題点も大きいと言えるが、初期から累積された車の欠陥が、何年も経過して火災のような問題につながると、これを立証できる方法がない。
さらに、韓国は運転者や所有者が自動車の欠陥を明かすしかない仕組みであり、消費者が法的に会社を勝つ可能性はゼロに近い。政府も問題の解決に乗り出すというより、傍観する状態であるため、消費者はさらに不利になるしかない。
曖昧模糊とした年式の自動車から火災が発生すると、原因を追跡して根本的な問題点を確認するシステムが国内には全くない。自動車の火災の場合、自動車の欠陥が持続されて火災が発生する場合が明確にあるのにも関わらず。
今回のBMW車両火災の場合は短い期間に単一モデル車種に数件の火災が発生して注目を浴びた。それで政府もやむを得ず調査に入り、リコール決定まで続いた。もし間欠的に火災が発生したら、一般的な火災と判断され、話題にもならなかったかもしれない。
年間国内で発生する自動車火災は5000件を超える。毎日13~14件ずつ発生するわけだ。それだけ周りによくある事故と見ることもできるが、年式が3~4年以内の場合は自動車の欠陥や、それ以上の年式は例外のケースでも発生する可能性がある。
今回のBMWリコールは時期的に遅れた感があって残念だ。10万人以上のリコール対象車両主は不安感を抱いて運転するしかない。この件と関連して筆者はリコール対象車を運転してもいいかについて頻繁に質問を受けるが、今のような猛暑のときは自制するようにとアドバイスしている。
このような役割も筆者ではなく、政府など関連省庁がしなければならない任務だ。問題は大きくなったが、措置が遅れているのは、政府もその役割を忠実にできなかったということだ。すでに数年前から、前兆現象が多く発生していたから政府が先制的対応に乗り出すべきだった。最近、単一モデルで連鎖的火災事故が起きた後、ようやく動きを見せていることは非難されて当然だ。
今も車主の不安感は続いている。猛暑は終わる兆しを見せず、本格的な夏休みシーズンであるだけに、火災事故が再び発生する恐れがあるため、格別な注意が要求される。リコール発表の以後にも、すでに該当モデルをはじめ、様々なモデルで火災事故が発生したため自動車業界の心配は増えている。
これからが問題だろう。リコールは8月末になってはじめて開始され、対象車両が10万台を超えるため、来年半ばまでに行われる可能性もある。特に、正確な原因と対策がない状態で、生半可にリコールを行うと、かえって状況をさらに悪化させることになるかもしれない。
政府とBMWコリアは今回のリコールに対する各種の疑問を解消させなければならない。同じ部品が入った海外車両は火災事故がないのに国内だけで発生する理由や、多くの車種の中でなぜ520dモデルだけに火災が発生しているのかなどの疑問を解決しなければならない。また、リコール発表で言及したとおり、完全なリコールが可能なのかも明らかにしなければならない。
従来の火災車両に対する補償や消費者への配慮を通じて、消費者の立場で積極的に問題を解決する努力も必要だ。もちろん、BMWコリアがこれまで、国内の自動車文化と発展に多大な貢献をしただけに、今回のリコール問題も正確かつ信頼性があるように解決してくれるものと固く信じている。
政府は一層努力する姿が必要だろう。傍観者の立場ではなく、国民の立場で迅速にかゆいところをかいてあげ、解決してあげないといけない任務がある。さらに、自動車分野はまだ先進国に比べて後進的な部分が多く、悪い慣行も多く残っているだけに、迅速に解決するシステム構築も重要だ。
今回のBMWリコールはあまりにも台数も多く、現在も進行中の深刻な問題であるだけに、これ以上の火災事故が発生しないように政府が徹底的に準備し、具体的な実行で不安感を下げることを願う。
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