[2018 GGGF] ウィリアム・チェン中国アリババ研究員、「第4次産業革命の包容的成長に注目すべき」

  • 急速な技術の発達経済インフラ変化の軸

  • 疎外された小さな主体の同伴成長機会なるだろう

[写真=12日の午後、ウィリアム・チェン中国アリババ首席研究員が「第4次産業革命の可能性を解放せよ」というテーマで講演をしている (ユ・デギル記者 dbeorlf123@ajunews.com)]


「最近の急速な技術変化を迎えて、多くの人々が新たな挑戦を恐怖を帯びた視線で眺めています。しかし、私たちは今まで簡単に見過ごされてきた第4次産業革命が作り出す包容的成長の可能性に注目する必要があります。」

ソウル中区プラザホテルで亜洲経済新聞とグローバル経済財政研究院の共同主催で開かれた第10回「Good Growth Global Forum (GGGF) 」の初日である12日、演説者として出席したアリババの子会社アリリサーチのウィリアム・チェン専任研究員はこのように強調した。

この日、「第4次産業革命の可能性を広げよう(Unleash the Potential of the 4th Industrial Revolution)」というタイトルで、デジタル時代の変化と流れを眺望した彼は、世界的コンサルティング会社であるマッキンゼー(McKinsey)を経て、中国最大オンライン流通会社アリババの研究機関であるアリリサーチで勤務している。

ウィリアム・チェンは、クラウドコンピューティング、ビックデータ、モノのインターネットなど最近の技術の発達が世界経済成長の構造そのものを完全に変えることができると強調しながら、第4次産業革命がもたらす成長分配の姿は、第3次産業革命とは違うと指摘した。

また、蒸気機関車から始まった産業革命の技術発達に時間が経つほど加速度がついているとし、1990年代にはおよそ1270kgに達したスーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」と、2010年代のわずか138gに過ぎなかった「アイフォーン」の性能差で見られるように、数十年間のデジタル技術の発達は、日増しに圧縮的に行われていると指摘した。碁で人間を勝った「アルファ碁(AlphaGo)」の登場は、多くの人々を驚かせたが、結局、2045年には人工知能が全体人類の知能を越えるという見通しを紹介したりもした。

さらに、「アルファ碁の勝利は、人間と太刀打ちできる人工知能の登場を知らせる始まりであり、以降、人工知能はより創意的能力を発揮する方向に動くだろう」と話した。

彼は「このように早い変化の中で最も注目すべき部分は、まさにプラットフォームの変化である」とし、「アマゾンやアリババがもたらした技術プラットフォームは、第3次産業革命時代とは別の事業構造を可能にした」と強調した。2016年を基準にして、世界1位の経済大国である米国の代表的流通会社ウォルマートの年間売上が4860億ドルである反面、同年のアリババの年間の総出来高は5470億ドルまで増えたのが、このような変化を示す端的な例だという説明だ。

金融取引においても技術企業の跳躍はめざましい。米国の代表投資銀行であるJPモルガンが扱っていた2017年の米国政府のマネーマーケットファンド(MMF)の運用規模は1500億ドルである反面、昨年4月、アリババ傘下の世界最大MMFである「Yuebao(余額宝)」の運用額は1650億ドルに達した。決済においてもアリババは2017年11月の光棍節当時、秒当たり25万6000件の取り引きを処理する能力を誇りながら、デジタル金融で目覚しい成長を続けている。

ウィリアム・チェン研究員は特に「アリババに代表される技術プラットフォームの登場は、世界の社会および経済環境を変えることができる」、「以前は大企業との競争で押されていた中小企業がオンライン上商取引プラットフォームが提供する技術、データ、取引ルールなどを通じて、大企業との競争が可能になった」と指摘した。また、過去には非常に少数だけが運用できたグローバル商取引が、技術の発達を通じて多くの小さな企業に活路を開いてくれたと強調した。さらに、速度が速く便利なオンライン決済システムの導入も、取引成長の勢いに力を与えた。中国の場合、オンラインを通じて国家間の取引がこの数年間急増しており、日本、米国、韓国などと交易が大きく増えている。

中小企業が大企業に比べて不足した流通網の開拓だけでなく、信用格差の解消にもオンラインプラットフォームは多くの貢献をしたとウィリアム・チェン研究員は強調した。例えば、アリババの金融企業であるアント・フィナンシャル(蚂蚁金服)の場合、700万個に達する中小企業が貸し出しサービスを利用しており、貸出金(融資額)の総額は1兆元に達する。

彼は「ここで最も注目しなければならないのは、まさにアント・ファイナンシャルの平均融資額が3万元以下という点だ」とし、「既存の金融圏ではいろんな限界によって取り上げなかった金融商品が、オンラインプラットフォームの登場で発売されるようになった」と強調した。

ウィリアム・チェン研究員は「過去第3次産業革命は、早い技術の発達により経済成長に貢献したが、成長の恩恵は主に規模の大きいグローバル企業に集中された」とし、「しかし、新たなインフラ、需要、世界市場を創出する第4次産業革命は、中小企業のようなより小さな主体に機会を提供しながら、もっと根本的な変化をもたらすはずだ」と、「結局、ともに発展する『包容的成長』を可能にするだろう」と展望した。

一方、ウィリアム・チェン研究員は現在、アリリサーチでデジタル経済と世界化部門を担当している。国際通貨基金(IMF)、世界貿易機関(WTO)など国際機構で開催する国際コンファレンスにも講演者として立ったことがある。ブルームバーグをはじめとする有数の海外メディアにもデジタル時代の展望したコラムを寄稿した。
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