[モビリティ革命、なぜ難しいのか] ① タダ vs タクシーの葛藤、政府と国会は「知らない」

  • タダの急成長にタクシー業界と葛藤深化・・・政府は無対策で一貫

[写真シ=聯合ニュース(「タダ」の不法運行処罰を要求しているソウル個人タクシー運送事業組合)]


次世代移動手段(モビリティ)をめぐる「不法議論」が絶えない。昨年には「カープール(相乗り)」が問題で、今年は「レンタカー」が葛藤の中心に立っている。

新規事業者であるモビリティ業界は、乗車共有が世界的な傾向であり、利用者が希望する次世代移動手段であると強調する一方、既存の事業者であるタクシー業界では、モビリティ事業は革新を装った不法輸送手段に過ぎないと反発している。関連法を明文化しなければならない国会は手を引いた状態で、主務省庁である国土交通省は、一歩遅れて利害関係者の対立仲裁に乗り出した。

16日、業界によると、レンタカー基盤のモビリティサービス「タダ(TADA)」を運営するVCNCとソウル個人タクシー組合が双方の立場の違いを縮めることができず、平行線を走っている。組合はタダが法の抜け穴を利用して不法な運送事業をしていると、関連営業を直ちに中止しなければならないと明らかにした。このため、去る4月からVCNC本社、光化門広場、国会、青瓦台(大統領府)前などでタダ退出のための集会を順に進行して政府を圧迫している。来る19日には、国土交通省と青瓦台前で集会を開催する計画だ。

タクシー業界が問題視するのは、タダの事業根拠である旅客自動車運輸事業法施行令第18条だ。施行令によると、11〜15人乗りのバンを賃貸する場合(レンタカー)に限って代理運転者(ドライバー)斡旋が許容される。タダはこの施行令を活用してレンタカーはVCNCの親会社である「SOCAR(ソカー)」から貸し、代理運転者はタダアプリで斡旋している。

タクシー業界は、法施行令第18条の規定は観光産業の発展のために、海外の観光客がレンタカーを利用する際に不便がないようにする例外条項であり、タクシーのような運送事業をしてもいいという許可条項ではないと主張する。これを根拠に組合は、去る2月、SOCARのイ・ジェウン代表とVCNCのパク・ジェウク代表を警察に告発した。

タクシー業界の反発にもかかわらず、タダは急速に成長している。5月初め、タダは加入会員50万人、運行車両1000台、代理運転者4300人を突破した。車両呼び出しの数も昨年10月にサービスを開始して6ヶ月ぶりに13倍増加した。タダの営業範囲は、ソウル、仁川(インチョン)、城南(ソンナム)、果川(クァチョン)などに限られる点を勘案すると、事実上、首都圏でタクシーと競合できるほどの規模を備えたわけだ。再搭乗率も89%に達している。このような爆発的な成長の勢いがタクシー業界の危機感をさらに煽っているという分析だ。

こんな状況なのに国会と政府は「開店休業」状態だ。国会と与党は去る3月、社会的大妥協機構を通じて「カープールの制限的許可合意案」を発表し、何後続措置も出せずにいる。合意案には、昨年課題になった通勤時間カープール許容に対する内容だけが盛り込まれており、レンタカーとドライバー斡旋に関する内容はない。先月23日にはチェ・ジョング金融委員長がSNSでタクシー業界と政府を公開的に批判するSOCARのイ・ジェウン代表に向かって「傲慢だ」と非難した。政府が葛藤を縫合どころか、葛藤の拡散に油を注いでいる。

国土部は先月31日、交通分野の総責任者になったチョン・ギョンフン交通物流室長を中心に、一歩遅れてモビリティ業界とタクシー業界の葛藤縫合に乗り出した。去る14日、チョン室長と国土部の関係者は、ソウル江南区の某所でタダの運営会社であるVCNCのパク・ジェウク代表、マカロンタクシーの運営会社KSTモビリティのイ・ヘンリョル代表者、カープール運営会社Poolusのソ・ヨンウ代表とBuxiのイ・テヒ代表などに会った。この日の出会いで国土部はモビリティ業界とタクシー業界の意見を収斂し、ソウル市など地方自治体とモビリティ会社が新たな市場を創出しながらタクシーと共生できる方策を探ると明らかにした。

国会と政府がこれといった対策を打ち出せなかったため、紛争当事者の間で合意をしようとする動きも起きている。しかし、双方の立場の違いを縮めることができず失敗した。去る10日、ソウル松坡区ソウル個人タクシー組合事務室でSOCARのイ・ジェウン代表とクク。チョルフイソウル個人タクシー組合のクク・チョルヒ理事長が極秘裏に会ったというマスコミ報道が出た。報道によると、この席でクク・チョルフイ理事長はタダの運営中断を要求したが、イ代表はこれを受け入れるのは難しいと述べた。イ代表は、プラットフォームタクシーサービスであるタダプレミアムにソウル個人タクシー組合が参加することを期待したが、組合は「タダ退出」という原則的な立場を固守したと伝えられた。
 
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