青瓦台(大統領府)がこれまでの沈黙を破って、日本の対韓輸出規制に「強硬対応」へ転換した。「一言一言、慎重に言葉を選んでいた」青瓦台は前日(4日)の国家安全保障会議(NSC)常任委員会で、日本の輸出規制を「報復的な性格」と規定した。
金尚祖(キム・サンジョ)青瓦台政策室長と洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は5日から「5大グループ」のトップと連鎖会合に乗り出す。政府は米中貿易紛争を含む日本発経済報復を議論する「外交戦略調整会議」を同日発足させた。
共に民主党のシンクタンクである民主研究員も同日問題報告書を出し、日本の輸出規制について「国際法の傾向に逆行する経済報復」と加勢した。刀を抜いた青瓦台は、対日特使派遣については「時期尚早」であると線を引いた。
問題は「決定的な一発がない」という点だ。日本発の経済報復の原因である強制徴用被害者の賠償のための根本的な解決なしに「強対強構図」に一貫する場合、韓日貿易戦争へ発展する可能性があるという懸念も少なくない。
政府の対応策は世界貿易機関(WTO)への提訴と国際協調、日本の規制品目を輸出する際、不合理な基準の適用監視、素材(材料)・部品の国産化などだ。
基調は強硬だ。青瓦台は前日の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安全保障室長の主宰で開かれたNSC常任委員会で、日本の規制措置をついて「報復的な性格の輸出規制措置は、WTOの規範と国際法を明らかに違反したもの」と規定した。青瓦台が日本発の経済報復に対して公式立場を出したのは今回が初めてだ。
ただ、青瓦台の悩みも少なくはない。当初、青瓦台はNSC常任委員書面ブリーフィングで「政治的報復」という表現を使ったが、26分後に「報復的性格の措置」と修正した。韓日間の全面戦争を懸念してトーンダウンしたものと分析される。
WTO提訴と素材・部品の国産化などが事実上、政府の「防御的性格」に近いという点を勘案すれば、短期間で実効的な効果を得るのは難しいとみられる。
青瓦台はしばらく国内企業とのコミュニケーション・協力を強化し、日本発の経済報復への対応策を模索する予定だ。
青瓦台の高位関係者は同日記者たちに会って、日本の輸出規制と関連して「全方位的に国内企業の声を聞いて解決策を模索している」とし、「経済界の方々の声を聞こうと積極的に乗り出している」と説明した。
続けて「各単位で深度のある政策議論を毎日のようにしている」とし「産業通商資源部と外交部など直接的関連性を持つ部処(省庁)以外にも、少しでも関連されたすべての所から意見を集めている」と伝えた。
しかし、対日特使派遣には線を引いた。南官杓(ナム・グァンピョ)駐日韓国大使が前日、東京新聞(中日新聞東京本社)を訪問し、菅沼堅五社長に会った席で「韓日首脳会談の再開」などに関する立場を表明すると、一部では対話を通じた解決カードとして韓国政府の対日特使派遣を取り上げている。
これに対して青瓦台の関係者は「特使を論じる段階ではない」と答えた。また「駐日大使は対話を話し、昨日青瓦台は強力な対応を示唆した。ツートラック戦略に見てもよいか」という質問に、「ツートラックとしてみるべきかどうかはは分からない」とし、「各自の役割に応じて最善の方法を模索している」と述べた。
この関係者は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の追加指示については「別になかった」とし、「議論は続けているが、(マスコミに)伝えるほどの指示事項はなかった」と付け加えた。
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