[ユン・チャンヒョンのコラム] デフレの中で「不動産だけがインフレ」、お金の流れがあまりにも良くない

양정미 기자

登録 : 2019-12-27 15:41 | 修正 : 2019-12-27 15:57

[写真・執筆=ソウル市立大学のユン・チャンヒョン経営学部教授・前韓国金融研究院長]


グローバル経済の中で多くの財貨は国家間を行き来しながら貿易の対象となるのが貿易財だ。ところが、不動産は少し違う。海外からの輸入が不可能な比貿易財だ。例えば、国内で貿易財の価格が一時的に上がる兆しが見えれば、海外からの輸入が増えて価格の上昇は抑制される。しかし、不動産は違う。海外要因の影響を受けると同時に、国内の特殊要因を相当部分反映するので、他の交易材とは異なる独自的な動きを見せることができる。

約10前に発生した世界的な金融危機は、米国での流動性過剰による不動産バブルが破裂しながら発生したサブプライム危機が原因となった。不動産バブルが弾けて不動産市場の異常状況が金融市場を襲わると、このショックが全世界に拡散して驚異的な実物の危機に広がってしまった。グローバル水準の不況が発生し、不況克服のために各国の中央銀行はゼロ金利からマイナス金利まで動員しながら通貨供給量を増やし始めた。

量的緩和(金融刺激)という名前で出発したこのような政策は、最初は効果が微々たるように見えたが、時間が経つにつれて効果が現れた。お金が回り始めて不動産価格が上昇し始めたのだ。米国の場合、資金が回って不動産価格が上昇し、世界的な金融危機以前より上がってしまった。そして、この時から危機の影が消え始めた。不動産バブルが弾けて危機が発生すると、資金を供給して克服しようとし、この過程で不動産価格が上昇して危機の前より上がってしまったせいで、危機が克服されてしまったわけだ。不動産市場を金融市場全般の関係と関連してよく観察すべきであることが確認される。

最近、韓国の不動産価格の急騰をみる心情は複雑だ。特に、経済全体的にデフレが懸念される状況で特定地域の不動産価格だけが上がるということは、韓国の経済が健康でないということを反証している点でなおさらそうだ。約10年前のグローバル金融危機当時、韓国経済は通貨危機の兆しがあったが、IMF危機の時とは異なり、流動性危機を経験せずにうまく避けた。しかし、世界経済の不況がもたらす影響で韓国も結局は金利を引き下げ、通貨供給量を増やして困難を克服するために努力した。ところが、この過程で韓国経済の中で通貨量が急激に増え始めた。2009年第3四半期末基準、1500兆ウォン近くだった総通貨(M2)指標が、10年が過ぎた2019年第3四半期末基準、2800兆ウォンを超えている。10年間で86.6%が増加したのだ。

この10年間、年平均通貨量の増加率が7%程度だったので、物価と通貨量が比例するという点を勘案すれば、物価上昇率も変わらない程度であるはずだった。しかし、交易財が多い状況で物価上昇率は1〜2%台にとどまった。そして、経済が良くない状況でお金が回る速度も減少したようだ。ところが、最近、韓国の経済に異常な状況が発生している。グローバル危機以降、回らなかったお金が、時間が経つのにつれ企業を含む生産的分野よりも特定地域の不動産に急激に流れ始めた。しかも、状況が厳しい地方不動産は依然として低迷している中、特定地域の住宅用不動産にお金が流れ、不動産価格に異常が発生している。

韓国経済の中で生産されるすべての財貨、すなわち生産財・消費財・輸出財までずべて合わせて計算される最も広範な物価指数を「GDPデフレーター」というが、この指数の前年同期比の上昇率は今年第3四半期末基準-1.6%で、20年ぶりの最低水準だ。消費者物価上昇率は0%に近い。経済全体ではデフレ基調がどんどん広がっている感じなのに、特定地域の不動産価格だけが上昇している。経済全体としてはデフレ、特定部門では「局地的インフレ」が共存している様子は非常に不安だ。

今回の不動産市場の流れは資金市場全般に対する考察が必要である力説している。保有税引き上げのように不動産市場の内部的な観点から需要を減らす式政策だけにとどまらず、資金の流れ全般を見極めながら、どうにかしても資金が生産的分野に流れるように誘導する戦略まで包括しなければならない。不動産政策を樹立するにあたって、不動産部門だけを切り離してみるのではなく、資金市場ないし金融市場全体まで考慮する幅広い視野が必要なときだ。

 
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