新型コロナウイルス感染症(以下 コロナ19)事態で、中国最大の政治行事である両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)が延期された。
政治外的な理由で両会の日程に変動が生じたのは、文化大革命以来42年ぶりに初めてだ。毎年3月初めに開かれ慣例も22年ぶりに破られた。
中国の習近平国家主席など指導部に向けて責任論が強まる見通しだ。
17日、官営新華社は同日、栗戦書(りつ・せんしょ)全国人民代表大会(全人代)常務委員会委員長が主宰した会議で、今年の全人代全体会議の開催を延期する案を提案したと報道した。
この案件は、来る24日開かれる全人代常務委員会会議で最終的に確定される。
全国人民政治協商会議(政協)全国委員会も同日に会議を開き、協全体会議の開催延期を議論したと明らかにした。
今年の全人代は3月5日、政協は3月3日にそれぞれ開幕する予定だった。
今回の決定は、コロナ19事態発生によるものだ。ウイルスの拡散が続く状況で、5000人ほどの代表が集まる大型政治行事を強行するのは無理だという判断を下したわけだ。
10日以上開かれる両会期間中に、強度の高い防疫を続けることも物理的に容易ではない。
中国共産党の主要幹部と中央・地方政府の高官が集まった席で、ややもすれば追加感染者が出た場合、社会の混乱はさらに深まるしかない。
韓国の国会に当たる全人代は、中国憲法に規定された最高権力機関であり、政協は最高政策諮問機関である。
1949年に初めて開催された協と1954年に発足した全人代開催が延期されたのは、文化大革命が終わって両会が復元された1978年以来初めてだ。
文化大革命(1966〜1976年)の間には両会が開かなかったが、1975年に全人代が再発足し、1978年から現在まで毎年両会が開催された。
特に1985年から毎年3月中に両会が開催されてきており、1998年以降には全人代(3月5日)と政協(3月3日)の開幕日は変わったことがない。
このように前例のないことが発生し、コロナ19事態にきちんと対処できなかった習近平体制への批判がさらに高まると予想される。
習主席は去る13日、湖北省の蒋超良(Jiang Chaoliang)党委員会書記を解任し、側近とされる上海市長、応勇氏を新書記に任命して民心収拾に総力を傾けてきた。
また、コロナ19事態の発生初期から習主席が自ら関連事案を取りまとめてきたとし、本来の役割を果たさなかったという指摘に反論した。
中国共産党の理論誌「求是」は今月15日に発刊した最新号で、先月7日に開かれた中央政治局常務委員会の内容を異例的に公開し、「習主席が会議を主宰して防疫作業を指示した」と主張した。
しかし、両会延期という最悪のシナリオが現実化し、むしろ習主席の初動対処の失敗を問う責任論が沸騰する可能性が高まった。
ある中国消息筋は「史上初のことが起こった」とし、「苦心の末に両会延期を決めただろうが、習主席のリーダーシップ危機はさらに深まる可能性がある」と伝えた。
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