コロナ19拡散の勢いに・・・鉄鋼業界、「今年の値上げ」は水の泡となる兆し

[写真=ポスコ提供「浦項」(ポハン)市のポスコ(POSCO)製鉄所]


新型コロナウイルス感染症(コロナ19)が弱まるどころか、その威勢がますます強まり、鉄鋼業界まで影響が拡散している。

コロナ19の発源地である中国を越え、アジア、米国、欧州などまで鉄鋼価格が弱含みを示し、値上げを通じて収益の正常化を狙っていた韓国内の主要メーカーの苦心が深くなった状況だ。一部では、コロナ19拡散の影響が続く場合、価格引き上げのどころか、グローバル輸出など今後、鉄鋼需要にも悪影響を及ぼすだろうと憂慮している。

23日、鉄鋼業界によると、ポスコと現代製鉄、東国製鋼など韓国の主要鉄鋼メーカーは今年を「値上げの元年」とし、自動車・造船業界との価格交渉をしっかり準備してきた。

昨年、米国、日本などグローバル市場での鉄鉱石価格は30%以上急騰したが、韓国内メーカーは価格綱引きタイミングを逃し、昨年第4四半期だけで「アーニングショック(実績衝撃)」水準の実績を出している。

鉄鋼業界の関係者は、「ポスコと現代製鉄などは世界的な鉄鋼価格の上昇傾向に合わせて、今年、価格交渉で勝機をつかむという計画を立てた状態だ」とし、「引き続く業績悪化を反転させるカードは、値上げしかないという切迫感が大きい」と伝えた。

しかし、コロナ19が伏兵として登場した。ウイルスの最も大きな影響圏である中国では、自動車生産、建設業など需要産業の萎縮が長引き、鉄鋼材の在庫が増えている。これにより、中国、東南アジアなどアジア圏で鉄鋼材の価格下落が続いている。

実際に、中国の春節連休が終わった直後、鉄鋼先物価格は急落している。 2月の第2週に入って中国の鉄鋼材の流通価格は前週比熱延4.9%、厚板1.9%、鉄筋1.4%などがそれぞれ下落し、不安定な状況が続いている。

韓国企業としては、自動車・造船業界との価格交渉で優位を占めることが難しい状況だ。さらに、自動車業界はコロナ19により中国産部品の需給が円滑ではなく、直接的な生産支障が発生しており、自動車鋼板の価格交渉に消極的だ。

特に値上げが切迫した船舶用鋼材の厚版価格の交渉が容易ではない見通しだ。鉄鋼業界は、原材料価格の上昇など厚版価格が急がれるという立場であるが、造船業界は業績正常化がのろいとし、船舶建造費用の約20%を占める厚版価格の引き上げに反対している。

しかも、コロナ19の影響で韓国メーカーの鉄鋼輸出も減少するだろうという懸念も出ている。ポスコは毎年、中国に自動車用鋼板など300万t規模の鋼材を輸出している。主要顧客会社であるフォルクスワーゲン、GMなどがコロナ19拡散で中国工場の稼動中断を延長し、鉄鋼材の需要萎縮が続く見通しだ。

業界関係者は、「コロナ19の拡散が自動車など主要産業に影響を及ぼし、鉄鋼業界の製品価格の引き上げも水の泡になる公算が大きくなった」とし、「現在、世界的な需要萎縮で鉄鋼の販売量が減る見込みであるだけに、主要鉄鋼会社の業績改善が今年も容易ではなさそうだ」と憂慮した。
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