[ムン・ヒョンナムのコラム] 包装を変えただけの「韓国型ニューディール」政策

양정미 기자

登録 : 2020-05-11 14:24 | 修正 : 2020-05-11 15:02

[執筆=淑明女子大学のムン・ヒョンナム経営専門大学院主任教授/人工知能国民運動本部共同議長]

政府が5月7日、「韓国型ニューディール」政策を発表した。新型コロナ感染症事態で世の中が大きく変わっており、経済が萎縮して働き口が減っている。このような状況で政府の特段の対策が打ち出されただけに、関心を持って詳しい内容を確認した。新型コロナによって経済と社会全般が大きく変わったことは誰もが認知しているが、いざ政府の対策はコロナ以前とあまり変わっていない。数年前から発表した内容が相当部分そのまま含まれており、数ヶ月前に発表した政策とあまり変わらない。むしろ大幅縮小されたうえ、新しい内容はほとんど入っていない。

1930年代初め、大恐慌で北米と欧州を中心に世界経済が非常に厳しい時期に、米国は1933年3月に就任したルーズベルト大統領が産業・農業・財政・水力発電・労働・住宅など経済全般に大々的な改革を実施するニューディール(トランプゲームなどで親がカードを配り直すことをいう)政策を施行し、明確な景気回復傾向でニューディール政策は次第に国民の支持を得て成功した。新型コロナ事態がもたらした経済危機から脱するための「韓国型ニューディール」が切実な状況だ。韓国型ニューディールが切実だが、全面的な政策の修正と補完が必要だと思う。

ポストコロナ時代の社会・経済変化と対応について、国内外で様々な良い分析資料が多く出ている。しかし、政府は今回の政策を設けるとき、最近発表されたコロナ対応戦略に関する資料をほとんど見ておらず、反映もしていないようだ。今回発表した政策を見ると、内容が包括的ではなく、過去に打ち出した政策を少しずつ修正したものとみられる。コロナ以後の世界は以前の世界と大きく変わっているのに、コロナ事態が起きる前とあまり変わっていない政策がどれだけ実効性があるか心配だ。中身はあまり変わっていないのに、包装紙だけを変えて新製品であると発売するような政策にみえる。

韓国型ニューディールは、経済・社会構造の変化の中で特に非対面化・デジタル化対応に重点を置いているという。ところが、いざ内容は偏狭で効果性が少なく、「経済構造の高度化」と「雇用創出」という目標をきちんと達成できるかどうか疑問が大きい。1)デジタルインフラの構築、2)非対面産業の育成、3)SOC(社会間接資本)デジタル化の3大プロジェクトを通じてデジタル基盤の経済革新を加速化し、雇用創出を推進するというのが「韓国型ニューディール」の主要骨子だ。3大プロジェクトの第1、「デジタルインフラ構築」をデータ収集・活用基盤の構築、5Gなどネットワークの高度化、AIインフラ拡充および融合拡散など3つに分けられたが、内容を見ると、これは数年前からDNA(Data・Network・AI)と強調していたのを表現だけ少し変えたものだ。第2と第3のプロジェクトである「非対面産業育成」と「SOCデジタル化」を見ても、タイトルは新しいが内容はそれほど新しくはない。

政府は昨年12月17日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の主宰で開かれた国務会議(閣議)で全部処(省庁)が参加して設けた「人工知能(AI)国家戦略」を発表した。政府は「AI国家戦略」を通じて2030年までに最大455兆ウォンの経済効果を生み出し、暮らしの質を世界10位に跳躍するという目標を示した。このため、政府は「IT強国を超えてAI強国へ」というビジョンで世界を先導するAI生態系の構築、AIを最もよく活用する国、人間中心のAI具現など3大分野で9つの戦略と100の実行課題を設けて推進することにした。AI国家戦略が発表された時、やや物足りないような気がしたが、今回発表された韓国型ニューディール政策と比べると、AI国家戦略のほうがより体系的で具体的にうまくできていると判断される。

今回発表した「韓国型ニューディール」は、昨年12月17日に政府が発表した「AI国家戦略」とあまり変わらない。むしろ「AI国家戦略」がもっとうまく作られており、「韓国型ニューディール」は急いで作られたため非常に粗雑だ。3つの省庁がそれぞれ3チームを引き受けるなど、省庁が推進すべきことを縮小したせいで、政策の量と質が大きく落ちたものと判断される。「韓国型ニューディール」を新たに発表するとすれば、従来発表した「AI国家戦略」よりアップグレードした内容が必要だが、アップグレードした内容はなく、急いで作ったせいか、「AI国家戦略」よりも縮小されたようにみえる。「非対面産業育成」が入ったこと以外には、変わった部分や深化された内容がない。

政府は今月中に韓国型ニューディール関連の細部事業を検討し、6月初めに下半期の経済政策の方向性を発表する際、「韓国型ニューディール細部推進方案」を発表する計画だ。ところが、すでに3大プロジェクトと10大重点課題という大枠を発表しており、細部の推進策も期待できない。大きな枠組みが整っていない状況で、細部の推進案がうまくまとまるのは難しいと判断される。したがって政府は、発表時期を多少遅らせても、いい加減な3大プロジェクトと10大重点課題に拘らず、全面的に見直してしっかりとした実現可能な韓国型ニューディール政策を立てて施行することを望む。

コロナ以前に発表した「AI国家戦略」を「AI国家戦略1.0」とし、これをアップグレードして「AI国家戦略2.0」兼韓国型ニューディールとして発表した方がよい気がする。「AI国家戦略」と「韓国型ニューディール」が共存すれば混乱をもたらすだけなので、今でも二つのうち一つは廃棄し、二つをうまく統合する政策が必要だ。韓国型ニューディールをよくみると、政府がこの政策をつくるのに、持っている力量を十分に活用していなかったと思う。国策研究機関を活用し、民間研究機関と専門家らの意見を取りまとめ、韓国型ニューディール(Kニューディール)がうまく作られ、ニューディールを上回るよい成果を出すことを期待する。
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