[ムン・ヒョンナムのコラム] メタバースは「デジタル地球」ではなく「デジタル宇宙」

[写真・執筆=ムン・ヒョンナム淑明(スクミョン)女子大学経営専門大学院教授]

企業・公共機関・学校など多くの組織と個人がメタバースに高い関心を示すのに対し、メタバースに対する理解度が低く、誤った情報も多い。メタバースは現実世界のような社会的・経済的活動が行われる『3次元仮想空間(virtual 3D space(world))という。メタバースに関する様々な説明があるが、これは韓国の国内資料の中では比較的よい説明である。しかし、よく整理した外国の資料と比べると、多少不十分な部分である。メタバースを『3次元仮想空間』より正確に説明すると『共有3次元仮想空間(shared virtual 3D space(world))であり、より正確に表現すると『共有3次元仮想空間の集合(collectiveshared virtual 3D space(world))である。

メタバースについての本やコラムなどを読むと、メタバースを一言で『デジタル地球(Digital Earth)』と表現することが多い。これもメタバースを過小評価した表現であり、メタバースはデジタル地球ではなく『デジタル宇宙(Digital Universe)』と表現するのが適切だと思う。筆者は「メタバース(メタバースの波)の流れに乗ろう(Riding the Metaverse(wave))と言いながら「メタバースに会員加入して直接使ってみよう」とよく言う。すると「やってみると子どもたちがするゲームで、年寄りは使いにくい」という返事を聞いたりする。これはメタバースを正確に理解できなかったためだ。メタバースは年代、対象別に適切によく使う必要がある。

ある産業に関心を持つようになれば、まず市場規模を正確に把握し、予測することが重要だ。主要紙と放送、専門家は口をそろえて海外の機関の資料を引用し「全世界のメタバース市場は昨年の50兆ウォン規模から2030年には1700兆ウォンに達するだろう」と予想している。2027年には8653億ドルから2030年までに1兆5000億ドルに拡大する見通しであるという。 予測機関ごとに少しずつ違いはあるものの、メタバース市場が急速に成長することには異見がない。メタバース市場またはメタバース産業を予測するために、国内外の機関は全て仮想現実(VR)と拡張現実(AR)だけを含んでおり、メタバース関連の他の部分まで含めると、既存の予測よりはるかに大きくなると予想される。

メタバース産業の一部分であるVRとARの二つだけをメタバース市場の展望だと、多くのマスコミと専門家が無分別に引用報道したり、コラムやインタビューなどに書いている。産業分析アナリストと産業専門記者を長年務めた筆者の経験から大まかに推定しても2030年のメタバース市場規模はVRとARの2つだけで予測された規模の1700兆ウォンより少なくとも5~6倍、多ければ10倍程度と予測する。もし、6倍だとすれば、2030年のメタバース市場規模は約1京200億ウォン(1京200億ウォン)に上る。すなわち、メタバース市場規模があまりにも過小評価されているため、メタバースに対して各企業と機関及び個人はより積極的に関心を持つ必要がある。

現在、メタバースは、会議やセミナーなどの行事に使われたり、一部の教育にも使われているが、まだ活用度は低い。しかし、メタバースでは、個人から企業に至るまで多様な新しい雇用とビジネスモデルが作られており、急速に産業全般に拡散するだろう。筆者はメタバースと関連して、多くの新造語が作られ、広く使用されると予想しており、次のようなメタバース関連の新造語に関心を持たなければならないと思う。メタバースリテラシー、メタバース教育、メタバースラーニング、メタバースコマース、メタバース金融、メタバース製造、メタバース建設、メタバースデザイン、メタバース設計、メタバス広告、メタバースマーケティングなど、限りなく拡張されると予想される。

仮想空間での商取引であるメタバースコマースも、Eコマース、モバイルコマース、ライブコマースを超える有望ビジネスとして浮上している。メタバースコマースを狙い、グッチやナイキ、ディズニー、コンバース、ハローキティ、MLB、CUなどのグローバル消費財企業や国内企業各社が、ゼペットなどのメタバース空間として次々と出店している。メタバースへの進出が遅れている企業は、競争力で遅れを取ることが予想され、進出を急がなければならないだろう。

企業や個人だけでなく、政府もメタバースに関心を持たなければならない。政府がメタバースを『超連結新産業』であると定義し、関心を持つことは望ましい。政府が『デジタルニューディール』に莫大な予算を投じているが、このうち相当部分をメタバースと連携させるか、メタバースに対する政府支援と投資を拡大しなければならない。韓国は先進国の仲間入りをしただけに、IT強国からメタバース強国へと世界経済を先導しなければならない。そのためには、全国民に対するメタバース教育を実施しなければならない。

国内研究機関はVRやARだけでなく、包括的なメタバース市場やメタバース経済、メタバース革命について研究しなければならない。メタバースは一つの産業に止まるのではなく、教育・国防・金融・サービス・製造など、ほとんどの他の産業と融合して大きく発展すると見込まれる。このため、メタバースは一つの産業と見るのではなくメタバース経済であるとみなし、メタバースは革命のように経済・社会・文化に大きな変化をもたらすと見込まれる。それこそ『メタバース革命』と言っても過言ではないだろう。世界経済は農業経済、産業経済、サービス経済、オンライン経済を経てメタバース経済へと急速に進化している。企業・政府・個人はメタバース経済を100%活用して新しい事業機会の確保や雇用創出、早く変化する世の中に対応できるよう徹底的に備えなければならない。
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