「新技術の開発に拍車をかけ、これからの新しい未来を先導しなければならない。技術だけが生きる道である。」
サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は8月、サムスンディスプレイ忠南(チュンナム)牙山(アサン)湯井(タンジョン)事業場を訪れ、液晶表示装置(LCD)事業が難しいからといって大型ディスプレイをあきらめてはいけないと、このように強調した。中国企業の低価格攻勢に変曲点を迎えたディスプレイ産業で主導権を取り戻すためには、最終的には技術力を全面に出した「超格差」戦略を続けなければならないという意味だ。
7日、関連業界によると、李副会長は10日、同じ場所でこのような意志を込めた大規模な投資計画を直接発表するという。
従来のLCD生産ラインを次世代ディスプレイとして挙げられる量子ドットの有機発光ダイオード(QD-OLED)に変換するため、約13兆ウォンを投入するというのが骨子だ。これは、韓国内企業のディスプレイ単一投資額として最大規模だ。
また、韓国のディスプレイ生態系の造成のためにも投資する。業界によると、政府、地方自治体の関係者たちも同日の行事に出席すると伝えられた。
李副会長がこのような決断を下したのは、中国企業のLCD技術力が急成長し、これ以上収益性を合わせることができないという判断があったからだ。産業通商資源部によると、去る9月の韓国のディスプレイ輸出額は前年同期比17.1%減少した18億9000万ドル(約2兆2600億ウォン)にとどまった。
すでにサムスン電子は先月LCD主力生産工場である忠清南道湯井L8-1生産ラインの稼動を中断した。湯井工場のもう一つのLCD生産ラインであるL8-2、L7-2でも生産量の調整に突入したという。
市場調査会社のIHSマークィットによると、湯井工場で生産されているLCDパネルは、年間633万6000枚規模だ。 L8-1生産ラインの稼動が中断され、年間96万枚ほど(約15%)の生産量が減ると観測される。
業界では、サムスンディスプレイが稼働を中断したL8-1生産ラインをまずOLED生産ラインに転換し、以降、段階的にL8-2、L7-2もOLED生産ラインに転換するものと見ている。
財界の関係者は「好調な時期に安住せず、危機にも着実に投資してきたのが今のサムスンを作った原動力だ」とし、「半導体、ディスプレイなど情報技術(IT)産業全般が重大な変化を迎えているだけに、オーナーの決断がそのこれまで以上に重要になった」と述べた。
一方、李副会長は6日にインドを訪問し、現地の事業の現状を確認して有力企業人などと会合うしたという。李副会長は去る8月末、最高裁判所の判決の後、サウジアラビアと日本を訪問したのに続き、3番目にインドを訪れるなど迅速な対内外歩みを見せている。
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