韓国、金融危機の時も使わなかった「量的緩和」取り出すか

  • 世界経済悲観論の中、長期不況の懸念…非伝統的手段となる金融政策を取り出す可能性

  • 韓国・オーストラリア・ニュージーランド、まだ公式検討ではないが今後の経済見通しは暗く

[写真=GettyimagesBank]


韓国、オーストラリア、ニュージーランドの3国の中央銀行の歩みが尋常でない。景気減速の影響で同じく政策金利を過去最低水準に引き下げたのに続き、追加利下げとともに量的緩和カードを弄っているためだ。韓国、オーストラリア、ニュージーランドが金融危機のときも使わなかった量的緩和カードを検討するのは、景気状況がそれだけ悲観的であるという傍証として解釈される。

ブルームバーグは26日(現地時間)、世界経済をめぐる悲観論の中に対外依存度が高い韓国、オーストラリア、ニュージーランドの「トリオ」が、長期不況を防ぐために量的緩和カードを取り出さなければならないという見通しに重きが置かれていると報じた。

AMPキャピタル・インベスターズの首席エコノミスト、シェーン・オリバー氏は「これら3国のうちの少なくとも1カ所以上で量的緩和が実施される可能性が非常に高い」とし、「中央銀行は任務がある。任務を履行するために何かをしなければならない。量的緩和は中央銀行ができることだ」と述べた。

量的緩和は中央銀行が国債や民間債券などを買いつけて市場に資金を供給すると同時に、市中金利の下落を誘導することができる刺激策を意味する。政策金利を下げるだけで、景気浮揚効果がないときに使う一種の「非伝統的金融政策」だ。米国連邦準備制度(FRB・Fed)、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行(BOJ)など、世界主要中央銀行はグローバル金融危機の時、ゼロ(0)、マイナス( - )水準の超低金利にも景気回復が遅く、物価が上がらなかったため量的緩和を断行した。

韓国、オーストラリア、ニュージーランドの通貨当局が量的緩和を取り上げ始めたのは最近のことだ。専門家らは中国との交易依存度が高いこれら3カ国が、金融危機の時は中国の成長基調に頼ることができたが、米中貿易戦争で中国の成長鈍化が深まりながら危機に直面したためと指摘する。これらの国は最近の政策金利を過去最低(韓国1.25%、ニュージーランド1%、オーストラリア0.75%)に引き下げたが、物価上昇や成長を牽引していないという判断に、最終的には量的緩和に乗り出すのではないかという観測が広がっている。オーストラリアとニュージーランドの中央銀行は、今年8月に金利引き下げと量的緩和の可能性を示唆しており、韓国銀行の李柱烈(イジュ・ヨル)総裁も去る16日、金利引き下げを決定した後、「金融政策余力が残っている」と、追加金利引き下げ、量的緩和の可能性を残した。

今後の経済も楽観できない。国際通貨基金(IMF)は今年の世界経済成長率が3%で、金融危機以降、最も低いとの見通しを出した。中国経済は米中貿易戦争による衝撃波に、第3四半期の成長率(前年比6%)が27年ぶりに最低値に急落した。米国も経済指標が揺れており、ユーロ圏(ユーロ使用19カ国)は成長エンジンであるドイツの低迷危機の中で日本式長期不況に陥りかねないという不安が大きい。韓国、オーストラリア、ニュージーランドのように対外依存度が高い小規模開放経済(SOE)の場合、外部の衝撃にもっと脆弱になるしかない。

フランスの投資銀行ナティクシスのアジア 太平洋地区担当チーフ・エコノミスト、アリシア・ガルシア・エレーロ氏は「特に韓国の場合量的緩和を取る根拠が強力だ。経済がウォン高に耐えられない状況で、主要中央銀行の追加的なテコ入れ策に従わない場合、大きな費用がかかる可能性があるためだ」と説明した。

ただ、韓国の長期金利がすでに低い状況で量的緩和が景気浮揚と投資活性化にどれだけ効果を出すかは不確実だという指摘も出ている。信栄証券のチョ・ヨング研究員はブルームバーグに「韓国の収益曲線(長期・短期金利差)は慢性的に平坦だ。量的緩和で得られるものがあるのか疑問を持つのが合理的」と指摘した。
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