原油価格暴落で恩恵を受けられると思ったら・・・海運業界、物流不足に『活路が見えない』  

  • 原油価格が下落すると安価な原油の需要は増えるが、コロナ19で物流急減

  • 減海運業界の危機感が高まり「コロナ19の打撃、長期化すると1年間続くだろう」

[写真=PANOCEAN提供]


新型コロナウイルス感染病(コロナ19)のグローバル拡散の暗雲が、韓国の海運業界の活路を暗くしている。

産油国間の力比べに伴う国際原油価格の下落は好材料として期待されたが、原油の需要が減り、船舶運用が減ったことは悪材料だ。自然に物流量が減少し、それによる運賃下落も続いている。業界は今年第1四半期だけでなく、第2四半期の業績も保証できないと、ため息をついている。

5日、韓国石油公社によると、国際原油価格は下落を続けている。 3日現在、韓国に輸入される原油の基準であるドバイ原油価格は、1バレルあたり22.4ドルで前週より3.5ドル下落した。

1月に1バレルあたり64.3ドルだったドバイ原油の価格は、3月の第3週に30ドルが割れ、今週は22ドル台まで下落した。国際原油価格は去る2日、トランプ大統領がツイッターにロシアとサウジアラビアの減産予想の書き込みを掲載した後に急騰したりもしたが、トランプ大統領の主張がすぐには現実性がないという評価が出ており、上昇幅が縮まった。今月6日、OPEC +が原油価格の安定に向けたテレビ会議を開き、減算合意をするかどうかが注目される理由だ。

国際原油価格がこのように乱高下し、海運業界のため息が止まらない状況だ。通常、原油価格が下がると安い原油を買い入れるための物流が増える。

しかし、今回の原油価格の下落状況はグローバル原油需要の下落から始まっただけに、物流がドラマチックに増えていない。

むしろ非運航船舶が増え、運賃下落も続いている。先月20日基準で中東 - 中国航路タンカー運賃指数(WS:WORLDSCALE)は112.50ポイントを記録し、下落傾向に入っている。先月11日に150ポイントを越えて急騰の勢いを見せたが、再び下落に入ったのだ。

海洋水産部は先月23日に発表した『2020年1〜2月の輸出入コンテナ貨物流動の現況 』によると、今年2月まで全国貿易港の輸出入物流量は前年比4.3%減少した。中国の輸出入物流量はそれより大きい下落幅の5.3%を記録した。

コンテナ物流量の場合、全国貿易港のコンテナ物流量は前年比0.23%減少しており、中国のコンテナ物流量は前年比3.3%減少した。

物流量の減少と運賃下落はは業績悪化につながっている。韓国海洋水産開発院(KMI)が先月17日から20日まで韓国船主協会登録会員社144社の企業を対象にした調査の結果、今年3月の売上高が前年同月に比べて27.4%減少した。部門別では、コンテナ船部門が20.8%、乾貨物船部門が22.6%、石油タンカー部門が29.0%、それぞれ減少した。

コロナ19が海運企業の売上高および物流量に及ぼす影響について78%(悪い39%、深刻23%、非常に深刻16%)が悪いまたはそれ以上と回答した。海運企業はコロナ19の衝撃が解消するまで、短くは3ヶ月、長くは1年ほどかかると予想した。

一部では、原油価格の下落による燃料費削減の可能性への期待感も出ている。しかし、コロナ19の長期化により、船舶運用自体が少なく、運賃は下落傾向を見せているため、大きな効果はないというのが大半の意見だ。

韓国船主協会の関係者は、「コロナ19事態が長期化するほど、物流量の回復が容易ではないだろう」とし、「落ち着きつつある中国で生産が回復しているのは励みになることだが、欧州と米国地域の拡散が尋常でなく、第2四半期の業績悪化は火を見るより明らかだ」と伝えた。

このため、事態が長期化すればするほど、政府次元の流動性支援など経営資金支援が行われる必要があるという主張だ。KMIアンケート調査でコロナ19と関連して最も必要な支援策として、企業10社のうち6社は『流動性支援など経営資金支援』(67%)を挙げた。続いて『貸出金利の引き下げ』(14%)、『国籍貨物の積取比率向上支援』(11%)、『税制支援』(3%)などを要求した。
<亜洲日報の記事等を無断で複製、公衆送信 、翻案、配布することは禁じられています。>
기사 이미지 확대 보기
경북 포항시 경북 포항시
닫기