「1000万バレルが970万バレルに」最終減産合意にも不安な国際原油価格

  • OPECの一部 「実質減産量2000万バレル」…米国とメキシコが最終的な勝利

  • 最終合意した国際原油価格…力不足の減産量に原油価格20ドル割れの見通しは変わらず

[写真=ロイター・聯合ニュース]


国際原油価格20ドル台を威嚇した原油価格戦争が一段落した。

12日(現地時間)、OPEC プラス(OPEC +・石油輸出国機構OPECとロシアなど非加盟の産油国10カ国による連合体)は緊急テレビ会議を開き、5月1日から6月末までの2カ月間、日量970万バレルの原油を減算することで最終合意した。先月、OPEC +の減産交渉が失敗し、サウジアラビアとロシアが原油価格戦争に突入してから1カ月で結んだ結果だ。

今後、 OPEC とOPEC + 23カ国は5〜6月の2カ月間 △サウジアラビアとロシアがそれぞれの日量250万バレル △イラク100万バレル △アラブ首長国連邦(UAE)70万バレル △ナイジェリア42万バレル △メキシコ10万バレルなど計970万バレルを減産する。以降、7月から今年末までは日量770万バレル、来年1月〜2022年4月までは日量580万バレルを段階的に減産する。9日の暫定合意案よりそれぞれ30万バレルと20万バレルが減少した。減産基準時点は2018年10月だ。

◆「実質減産量2000万バレル 」…実利は米国・メキシコへ

減産合意の規模は当初、日量1000万バレルから970万バレルに減ったが、これまでOPEC +が決議した減産量のなかで最も大きな規模だ。産油国と原油業界は、全世界の供給量の10%を占める規模を減産することにより、ひとまず原油価格の崩壊危機は免れることができるという雰囲気だ。

OPEC +の一部では、実質的な原油供給減少量が日量2000万バレルに達する可能背いもあるという見通しも出ていると、ロイターは伝えた。

まず、サウジアラビア・UAE、クウェートが今月に入ってすでに増産したため、4月の生産量を基準に減産量は日量1200万~1300万バレル規模だ。また、これら3カ国は減産クォータ以外にも日量200万バレルを自発的に減産することにしたという。

OPEC +は、米国、カナダ、ブラジル、インドネシア、ノルウェーなど非加盟国の日量400万〜500万バレルの減産も非公開で進めており、国際エネルギー機関(IEA)も15日に2カ月間、日量300万バレル規模の戦略備蓄石油購入計画を発表する予定だ。

一方、ウォールストリートジャーナル(WSJ)とブルームバーグなど外信は、今回の減産合意の勝利者としてメキシコのロペスオブラドール大統領とドナルド・トランプ米大統領を名指しし。

メキシコは自国のクォータを当初、日量40万バレルから10万バレルまで下げ、莫大な借金で悩んでいる国営石油会社ペメックスを求めると同時に、政治的負担も減らした

新型コロナウイルス感染病(コロナ19)事態とともに国際原油価格の暴落でジレンマに直面したトランプ大統領も急場をしのいだ。高い生産コスト構造のシェール業界が低価格の原油価格に耐え切れず、連鎖倒産することになると、米国の失業難と景気後退を早めるだろうという懸念が高かったためだ。

◆減産量が減っても一応安心…依然として「原油価格崩壊」の可能性も

これまで「超弱含み」から抜け出せなかった国際原油価格は、この日の減産合意ニュースによってひとまず上昇の流れに乗る格好となった。

合意妥結直後、6月引き渡し分のブレント原油の先物価格は一時8%まで高騰し、1バレルあたり33ドル台を記録したりもした。5月物のウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)価格も6%近く急騰し、25ドル台に近づいた。以後、少しずつ上昇分を返却してブレント原油とWTI油はそれぞれ31ドルと23ドル台で取引されている。

市場と業界は安堵する雰囲気だ。

市場調査企業のIHS マークイットの副会長、ダニエル・ヤーギン氏とフランスの投資銀行BNPパリバはこの日、ロイターでそれぞれ「今回の合意がなければ、国際原油価格は限りなく墜落して金融市場まで打撃を与えたはずだ」、「原油価格が底を打ったという肯定的なシグナル」と評価した。

ただ、減産量がグローバル供給過剰を防ぐには力不足という失望感も少なくない。

グローバル投資銀行は今回の合意を「歴史的だが、まだ不十分だ」とし、原油価格の下落圧力が依然としてあると評価した。コロナ19事態により、原油需要が日量3000万バレル縮小した状況で、970万バレルの減産だと、需要萎縮を相殺することができないということだ。

今回の合意後、モルガン・スタンレーは今年第2四半期のWTI油とブレント原油の見通しをそれぞれ22.5ドル〜25ドルと30〜35ドルに小幅上方修正したが、ゴールドマン・サックスとUBSなどは今後、数週間の間に原油価格がさらに下落すると予想した。

エネルギーヘッジファンド、アゲイン・キャピタルのマネージャーであるジョンキルダフ氏はCNBCで「グローバル在庫の増加に伴い、今後、数週間以内に国際原油価格が20ドル台を脅かす時期が来るだろう」と悲観的な見通しを維持した。
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