[ノ・チャンヒのコラム] プラットフォームについて私たちが知るべき理由

[執筆・写真=メディア未来研究書のノ・チャンヒ室長]

よく聴くポッドキャストで司会者1人が自分はユーチューブに収益がどのように配分されているのかよく分からないと話したことがある。収益配分方式がよく分からないと答えた司会者は、自分もユーチューブを通じてチャンネルを運営したことがあるにも関わらず、正確なメカニズムについてはよく分からないということだった。最近、企業型ユーチューバーの月平均収入が900万ウォンを越えるということが、多数のメディアで報道されたように、ユーチューバーの収益は多くの人々が知りたがる関心事だ。しかし、一般利用者たちはもちろん、メディア創作分野の従事者たちとメディア産業を研究する人たちでさえ、正確な収益配分方式を知ることは難しい。

このようなエピソードは、プラットフォームがどのように運営されるのかを理解することが難しいという意味だ。もちろん、特定のプラットフォームがコンテンツを提供する主体に支払う対価に対する基準を透明に公開する責任はない。しかし、明らかなことは私たちが日常的に利用するプラットフォームが、私たちが理解しにくい複雑な過程を経てサービスを提供しているということだ。プラットフォームは技術やコンテンツ、データのような様々な要素が複合的に調和して作られた複合体である。利用者にとっては便利で合理的な価格でプラットフォームを利用することが重要であり、プラットフォームがどのように運営されるのかを完全に理解する必要はない。しかし、私たちがプラットフォームの運営方式を十分に理解できず、被害を受けることが発生するとしたら? 一般利用者も知っておく必要があるという結論に至る。

現在、全体的な産業生態系を主導している主体はプラットフォーム企業だ。ユーチューブも無料で利用することができる。また、家庭でテレビ端末のような大きな画面で利用する方がますます便利になっている。プラットフォームをいつ、どこでも利用可能とする技術やサービスは、ユーザーに最適化されている。メディア領域もプラットフォーム主導の生態系となっている。このような状況で私たちに直面した最大の脅威といえる新型コロナは、プラットフォームへの依存度を高めている。

予想通り、グーグルが先月、ゲームを除く残りのアプリについても、インアプリ(アプリ内)決済の強制範囲を拡大することにした。こうなると、来年からはグーグルを通じてサービスされるデジタルコンテンツとサービス業者に手数料30%が課されるようになる。グーグルが市場支配力を活用し、インターネット産業の生態系に負担をかけることも問題だが、さらに大きな問題は、グーグルによってデジタルコンテンツやサービス利用料金が引き上げられ、ユーザーらに負担が転嫁されることだ。これが現実化すれば、多くのユーザーがわけも分からないまま値上げした料金を支払うことになるかもしれない。

プラットフォームの生態系で最も重要な財源の一つは広告だ。広告は情報の性格も同時に持っているとはいえ、広告を好むユーザーは少ない。にもかかわらず、広告を我慢してプラットフォームを利用する理由は、それだけ自分に戻ってくる便益が大きいためだ。しかし、私が利用していたコンテンツに私も知らない広告が入っていたら? 裏広告に関する公式的な定義は存在しない。裏広告という用語は、広告ということを明らかにしていない広告であることを意味する。広告主の立場としては一般広告より広告効果が大きいため魅力的であり、コンテンツ制作者の立場としては広告が確保できるだけに、誘惑が大きくならざるを得ない。問題は裏広告が消費者を欺瞞する行為に当たる可能性があるということだ。実際、裏広告のために不便を訴える利用者が増えている。

グーグルのアプリ内決済と裏広告の事例は、プラットフォームが作動するメカニズムに一般ユーザーも関心を持たなければならないということを示している。余暇だけでなく、業務と日常に不可欠な商取引行為までプラットフォームを通じて行われる状況の中で、プラットフォームに対して理解しておかないと、ユーザーは自分も知らないうちに被害を受けるしかない。

プラットホームで発生し得る不公正取引行為と消費者欺瞞行為が持つもう一つの問題は、放送通信の領域より政府ができることが多くないということだ。インターネット生態系は、政府が免許と設備を許可して構築されたのではなく、事業者の革新で造成された生態系だ。マーシャル・W・ヴァン・アルスタイン、サンジート・ポール・チョーダリー、ジェフリー・パーカーは「プラットフォーム・レボリューション」で、規制機関が新しい技術に価値を加える方法の一つとして消費者に正確な情報を提供することを挙げた。規制が難しいプラットフォーム領域に政府ができる最も重要な役割は、利用者がプラットフォームがどのように動くか分かりやすく情報を提供することであるといえる。政府が直接的に介入することは難しいが、多くの副作用が発生すると予想される事案については、国民が分かりやすく政府がこれを知らせる方法を探す必要がある。

ユーザーが多様な選択肢を持つ消費環境が整っているとはいえ、逆説的に複雑化したインターネットの生態系を理解することはより難しくなっている。インターネットプラットフォームは従来のメディアとは異なり、ユーザーが介入できる余地がはるかに大きい。自分が利用しているプラットフォームをよりよく理解し、意見を積極的にアピールすることが自分が持っている権利を守る方法だ。私たちに与えられた選択権が多様化しただけに、私たちが知るべきことも多くなる。私たちがプラットホームの運営方式に関心を傾けなければならない理由だ。
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