[キム・ヨンハのコラム] 2021年の経済、バラ色だけじゃない

[写真・執筆=順天郷(スンチョンヒャン)大学のキム・ヨンハ IT金融経営学科教授]


2021年の経済見通しが発表されている。OECD 22.8%、KDI 33.1%など、機関によって少しずつ異なるものの、概ね3%前後の成長率の予測を出している。2020年の経済成長率がコロナによる韓国経済の後退度合いが他の国々に比べ低い-1.1%前後と予想されるため、反発の度合いもむしろ低く見ているようだ。この程度の経済正常化も、新型コロナウイルス感染症(コロナ19)を来年には成功裏に克服できるという前提に基づいている。

しかし、最近、国内外で広がっているコロナ第3次大流行の状況を見ると、コロナ19がいつ終わるのか予想すらできなくなっている。3%前後の安定成長のためにはコロナ19を確実に終息させる対策が最も重要であると判断される。対策の中で最も重要なのは、コロナに対する全国民のワクチン接種であり、コロナに対する抗体を早急に持たせることだ。英国は今月8日からワクチン接種を始めており、米国も年内にワクチン接種を始める。日本など大半の先進国では、各国の国民が接種するのに十分なワクチンの物量を確保したというニュースが流れている。韓国政府も4400万人分のワクチンを確保したと発表したが、1000万人分だけであるという。しかも来年2月~3月に可能だということで、残りは不確か状況だという。どの国が先に経済回復するかは結局、ワクチンを誰が先取りするかにかかっているにもかかわらず、韓国政府はいまだに安全性の問題ばかり訴えている。英国や米国、日本のような国々が国民安全を考えずにワクチン接種を推進しているとは考えられない。韓国はワクチン開発能力はやや弱いが、ワクチン生産能力とインフラを備えている。一刻も早く、ワクチンをすでに開発したグローバル製薬会社と韓国国民のためのワクチン生産交渉を始めなければならない。

韓国経済が開発時代以降マイナス成長率を見せたのは、第2次オイルショックによる1980年の-1.7%、IMF通貨危機が発生した1998年-5.5%以後3度目と言える。グローバル経済へのショックの大きさを考慮すれば、2020年は何とか耐えたと評価されたものの、具体的に分析すると、そう簡単ではない。KDIによると、2020年の輸出は金額ベースで-9.2%、民間消費は-4.3%と深刻だったが、企業が無理やり設備投資を6.0%拡大し、莫大な拡張的政府予算の投入でかろうじて持ちこたえたのだ。したがって、バラ色の展望にもかかわらず、2021年度も確実に良くなるとは断言できない。

政府は11月の輸出が前年同期より増加し、輸出奇跡としているが、2019年11月の輸出額が2018年比-14.5%と極めて低調であったことによる基底効果もあるため、完全に回復したとはいえない。実際、今年1~11月の累積輸出額は前年同期比-7.1%を示している。もちろん、コロナ19にもかかわらず、この程度のマイナスを記録したのはよく頑張ったと言える。問題は、韓国の輸出は、文在寅(ムン・ジェイン)政府に入って引き続き下落傾向にあることだ。2017年の輸出増加率は15.8%であったが、2018年には5.4%、2019年には10.4%に墜落している。韓国経済を牽引する輸出が急転直下にあるのは、企業の輸出競争力が低下しているからだ。

コロナ19のような特別な経済ショックがある時期には、政府の総需要の拡大で一時的に成長率の鈍化を防ぐことが避けられないが、経済が正常化する時期には、輸出競争力を復元する総体的な国家努力が重要だ。ところが、最近政界で起こっている様相を見ると、競争力を高めるのではなく、競争力を下げる方向の各立法案が怒りの疾走をしている。公正経済3法と呼ばれる経済規制法案が、多くの韓国企業を海外ヘッジファンドの獲物にする可能性が濃厚であるにもかかわらず、ブレーキ装置なしに国会で突進している。それだけではない。来年からは50人以上の事業所にも52時間労働時間短縮法令が拡大適用される。その上、労使の合意が得られていない中途半端な労働関連法令も改正を急いでいる。

コロナ19による経済的ショックを防ぐために、100兆ウォン前後の国家負債の増加を甘受して558兆ウォンに達するスーパー赤字予算を編成した政府が、あれこれ規制法令で企業の足を引っ張っている姿をどのように理解すればいいだろう。閉鎖経済を志向する国家のほかに、現在のような厳しい時期に規制法令を発している国家は韓国しかない。

さらに、韓国ウォンの為替レートが速いスピードで切り上げられ、輸出現場では赤信号が灯っている。これまで自動車など価格競争力の境界上にあった商品の輸出が今年良好だったのは、韓国の為替相場が1200ウォン台を維持したおかげだったが、今は1ドル=1100ウォンが割れた。それに、石油価格が乱高下し始めたのも懸念される。来年上半期にグローバル経済が回復し始めれば、石油需要も再び増えると予想される中、イランなどの中東地域に戦雲が漂うのが尋常ではない。ここ数年、韓国企業が会計上で当期純利益が維持され、国家的に経常収支の黒字幅が大きく減少しなかった根底には石油価格の安定があった。2021年に安定した経済回復をするためには、適正な為替管理とともに、石油をはじめとする原材料価格の変動に備える必要がある。

 
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