[キム・ヨンハのコラム]第4次災難支援、被害業種の損失補償に重点を置くべき

[写真・執筆=順天郷(スンチョンヒャン)大学のキム・ヨンハ IT金融経営学科教授]


新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の感染者数が8万人台を超えている中、一日の新規発生が400人台前後を記録するなど、なかなか収まる気配がない。このため、コロナ第3次災難(災害)支援金の執行も終わっていない状況で、第4次災難支援金の推進が政界で急速に進められている。第1次は2020年5月、全国民に14兆3000億ウォンが普遍的に支給された。また、第2次は昨年9月に小商工人(自営業者)など雇用脆弱階層を中心に7兆8000億ウォンが支給され、第3次は今年1月からコロナの影響で営業が制限された小商工人と雇用脆弱階層などを対象に9兆3000億ウォンが支給されている。

第1次が全国民に普遍的に支給されたとすれば、第2次と第3次はコロナによって被害を受けた階層を中心に選別的に支給されたのが違いである。与党であるともに民主党は20兆ウォンの補正予算を造成し、普遍と選別を同時に推進する第4次災難支援方案を発表した。野党である国民の力も、損失補償や災難支援金のほか、自営業・小商工人への緊急生存資金の支援や、これを推進するための「与野党・政府間協議体」の設置を提案しており、第4次災難支援金は早ければ3月中にも実現する見通しだ。

第4次災難支援は財政規模も大きな問題であり、支援方法についての合意を見出すのは容易ではないと予想される。普遍的な支援か選別的な支援かをめぐり論争が繰り広げられているが、災害に対する「支援」よりも「損失補償」が必要だという主張が説得力を得ている。政府が強力な距離置き(ソーシャルディスタンス)防疫対策を実施したことで、事業が制限されたり中断されたカフェや飲食店、フィットネスセンター(ジム)などの業種の場合、コロナで生活が苦しい対象者を助けるという立場からではなく、政府の政策で被害を受けた事業者と従事者が被った実際の損失を補償すべきだということだ。国会の一部ではすでに損失補償法の立法が提案されている中、最近、与野党の代表もこれに対する推進の意志を明らかにした。実際コロナ被害損失補償制度は、他の領域ですでに同様に施行されている概念だ。コロナ19のためその深刻さが明らかになっていないが、AI防疫の次元で行われている損失補償制度は、鳥インフルエンザ(AI)が発生すれば感染拡散を防ぐため、発生地周辺3キロ以内の家禽類を予防のため殺処分することによる損失額の80%を中央政府が補償している。コロナ拡散防止のため行政的に営業を制限するなら、それに伴う損失は国が補償するのが妥当である。

損失補償政策は、日本やドイツ等の国々で既に施行・推進されている。日本は去る7日、緊急事態宣言とともに営業制限対象業種に1日6万円(約63万ウォン)を補償する措置を施行した。ドイツは全面封鎖期間に月最大1万5000ユーロ(約2000万ウォン)の補償金支給を決めた。 ただ、これらの国の施行案も事実上、定額制という点で実際の損失額だけ補償する案とは距離がある。もちろん、実際の損害額を算定するのは容易ではないが、韓国国税庁の所得把握能力から見て、絶対不可能なことではないと判断される。一例として勤労奨励金制度は、国税庁の所得把握資料を根拠に一定基準以下の所得勤労者と自営者に足りない所得を補填しており、過去には1年に1回ずつだったのを、最近は1年に2回に分けて支給している。コロナ19による損失補償は、すでに政府が実施している労働奨励金制度と同じ方式で推進でき、事業の趣旨から見て、コロナ19期間には期限付きで労働奨励金制度と統合・拡大・施行する案も検討に値する。

第4次災難支援金が編成される場合、まずは直接的な被害業種の当事者に実質的な損失を補償することが優先されるべきだ。政界の一部で提起されている普遍的支給案は、全国民に定額で現金を支給した第1次災難支援が、規模上は14兆3000億ウォンで最も大きかったが、効果性では実際の被害階層に必要な支援を十分に行うことができず、所得の再分配はむしろ悪化した。それに、コロナによって損害が大きい業種に対する消費刺激の効果も大きくなかったという評価結果を傾聴する必要がある。そのうえ、選挙を控えたばらまき政策であると誤解される余地が大きい。実質的な損失補償の制度化には時間が必要で、第4次災難支援では難しいという主張もあるが、法の制度化をする前に試験的な施行で錯誤を事前に補完して具体的に立法化するプロセスも望ましい。損失補償に必要な予算は、2020年の経済成長率が-1.0%であるだけに、マイナス成長の額程度なら可能だと判断される。実際、被害業種の損失額はこれより大きいだろうが、これまで支給された直接・間接支援を勘案すれば、ある程度は相殺できると推定される。

パンデミック第3波が過ぎても、国民の大半が集団免疫になるまでには、似たようなパンデミックは何度も発生する可能性があり、そのたびに現在実施している距離置き防疫対策と同様に、特定業種への営業制限が繰り返されることもありうるので、明確な損失補償政策によりも被害業種の損害を減らすとともに、防疫の効果を高めることが重要だ。
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