KDI「国際原油価格の上昇、韓国の成長率・物価を引き上げる」

[写真=Gettyimagesbank]


国策研究機関である韓国開発研究院(KDI)は「国際原油価格の上昇が今年の経済成長率と物価上昇率をいずれも高める方向に働くだろう」との見通しを示した。

KDIのチョン・ソラ研究委員とチョン・ギュチョル経済展望室長は6日、『最近の原油価格上昇による国内(韓国)経済への波及効果』と題する報告書で、「コロナ危機以後の原油価格の反発には、予備的需要と投機ショック、原油供給のショックなど、国内の実質購買力の減少を誘発する要因だけでなく、世界の景気回復に伴う原油需要の増加も主な要因として作用している」と述べた。

最近、国際原油価格は急速に上昇した。世界経済の回復に対する期待が高まり、原油需要が増加した中で、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非OPEC産油国協議体であるOPEC+の減産などで供給不安が大きくなった影響だ。

このため、原油輸入国である韓国に否定的な要因として作用しかねないという懸念が出ている。2018年基準で韓国は89兆ウォン規模の原油輸入国である。石油製品の輸出(56兆ウォン)が輸入(34兆ウォン)より多い石油製品の純輸出国だ。石油製品は大部分企業の中間財として活用される。

報告書は「予備的需給と投機ショックは輸入物価の上昇を誘発し、国内経済に否定的な影響を与えかねない」としながらも「最近の原油価格の上昇が世界の景気回復を伴っており、経済成長率には肯定的な影響を与える」と分析した。

最近の原油価格の上昇により、今年の経済成長率と物価上昇率がそれぞれ0.4~0.7%、0.5~0.8%引き上げると予測した。ただ、これは原油価格の変動に対する直接的な要因だけを分析したもので、成長率と物価上昇率に対する多様な要因を総合的に考慮していない数値だ。

報告書は「原油価格の上昇は、それ自体で家計購買力の減少と企業生産費用の増加を誘発する」とし「経済主体別影響は、企業の増加した生産費用が非石油製品価格に転嫁される程度によって大きく異なる可能性がある」と分析した。

石油製品の価格が非石油製品の価格に転嫁されなければ、企業の生産コストは平均0.7%増加するだろうと試算した。家計の場合、石油製品の価格上昇が非石油製品価格に転嫁される程度によって消費支出の負担が0.3~1.2%増加することが分かった。

世界的な景気回復は韓国経済にも肯定的な影響を及ぼす見通しだが、まだコロナ拡散が続いており、未だに国内景気の回復の勢いが堅調でないことには注意すべきだという指摘だ。

報告書は「必要な場合、輸入物価の上昇による否定的な影響を減らす政策を検討する必要がある」と提言した。

生活必需品の価格が上昇する可能性もある。国際原油価格が上がれば、石油類や電気料金などは、その分だけ生産コストが増加するからだ。

報告書は「もし国内でコロナ拡散が加速し、景気低迷が発生する中で国際原油価格が追加で急騰すれば、原油価格の影響が大きい商品には一時的に家計負担を減らせる政策的支援を考慮しなければならない」と強調した。

続いて「長期的には国際原油価格のショックが韓国経済に及ぼす影響力を減らし、気候変化にも対処できるよう、原油と石油製品への依存度を減らす努力も求められる」と付け加えた。
 

[資料=KDI提供(国際原油価格の上昇による産業別生産費用の増加)]


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