[ホン・ジュンピョのコラム] 米国にも両極化の陰はある

양정미 기자

登録 : 2021-06-02 15:10 | 修正 : 2021-06-02 15:45

[写真・執筆=現代経済研究院のホン・ジュンピョ首席研究委員(産業研究室長)]


先週閉幕した男子世界ゴルフメジャー大会で、50歳の米国選手が最高齢でメジャー大会の優勝を獲得したと大騒ぎだった。ゴルフが好きな筆者もその試合を見た。世界的なレベルのプレーも幻想的だった。しかし、何よりも目を引いたのは、ゴルフ場に集まった数千人のギャラリーだった。マスクをかけずに歓呼の声を上げながら、片手にはビールを持って自由に大会を楽しんでいた。驚いた。ワクチンの力だろう。米国はもう正常に戻ったと確信できた。

主要マクロ経済指標を見れば、米国経済もやはり正常に戻っているという確信が持てる。最も代表的な経済成績を示すGDPから見てみよう。5月27日に発表された米国の第1四半期の経済成長率(暫定値)が年率6.4%と集計された。第1四半期の経済回復速度が残りの第2~4四半期にもそのまま維持されれば、米国の2021年の経済成長率は6.4%になるという意味だ。韓国銀行が今年の韓国の経済成長率を4.0%と見通したことを考慮すれば、経済規模が韓国の何倍にもなる米国が6%台の成長で、どれほど活気に満ちた経済状況が繰り広げられるか期待される。

また、他のマクロ経済指標である雇用と物価指標を見ても、全般的に経済回復の方向性は維持していると判断される。5月初めに発表された4月中の非農業部門の就業者数は、前月対比27万人余りの増加にとどまった。経済専門家らは100万人増加すると予想したが、はるかに及ばない結果が出た。テレワークのパターンが維持され、子どもがまだ毎日完全に学校に登校していない状況で、職場への復帰は容易ではないという気もする。6月初めに発表される5月の雇用状況をもう一度確認しなければならないだろう。

遅い景気回復を示唆する雇用とは異なり、物価指標は景気過熱を示している。5月中旬頃に発表された4月の消費者物価(Headline CPI)上昇率は、昨年同月比4.2%(前月比0.8%)となったが、いずれも市場予想を大幅に上回る水準であった。車両向け半導体が不足して自動車生産に支障をきたし、中古車価格が大幅に上昇したことが物価上昇幅の拡大に影響を及ぼした。日常生活が正常に戻り、旅行需要が急増して航空料金と同部門での大幅な料金引き上げも物価水準を大きく押し上げる役割を果たした。一時的な要因と評価されているが、このような一時的な要因は当分の間、引き続き起こりうる。そして、旅行需要の正常化はさらに強化されると思う。例えば、アメリカン航空は今年夏の米国路線運航座席数をコロナ禍以前の90%、国際路線は80%まで回復させる方針だという。

マクロ経済指標は好況を示唆するが、マクロ的な側面での強い回復傾向が本当に堅固なのかに対する疑問が残る。米国は家計消費が経済に占める地位が非常に高いが、消費を可能にする要因、例えば所得や財務状況がそれほど強い改善を示しているわけではないからだ。特に、相対的に教育水準が低い家計や解雇されて失業状態の家計、子女数がもっと多い家計ほど、全般的な財務状況が平均的な回復水準に及ばない差別化現象が目立った。

米連邦準備制度がコロナ禍によって大きく変わった家計の財務状態を確認するために実施したアンケート調査の結果によると、回復速度が差別化されていることがはっきりしている。まず、2020年第4四半期現在、全般的な財務状況が「大丈夫」と答えた回答者の割合は75%水準だった。これは2019年第4四半期とほぼ同じ水準である。しかし、高卒未満の学歴者の家計のうち、財務状況が「大丈夫」と答えた割合は、同期間54%から45%に減った。また、解雇で失業中の家計に限ると66%から58%に減った。この二つの部門で約10%の差が発生した。

所得状況では、全般的にコロナ以前と同じ水準まで回復したが、学歴水準が低い階層では所得が減った世帯が相対的に多かった。2020年に所得が減少したと回答した世帯をみると、大卒以上の世帯の中では所得が減少したという世帯の割合が17%だが、高卒未満の世帯の中ではその割合が23%でもっと多かった。所得の源泉別には、労働所得がある世帯の割合は2019年の69%から2020年には67%へとほぼ変わらなかったが、労働所得ではない他の種類の所得のある世帯の割合は、同期間54%から61%へと大きく増えた。大規模な財政支援が家計所得を支えていると解釈される。

結局、米国はワクチン接種の拡大で今の驚くべき景気回復の速度が持続すると予想される。さらにバイデン米大統領は、今年10月から適用される2022会計年度の予算案として6兆ドル(約6700兆ウォン)を提案するという。この場合、発生する物価上昇誘発効果と負債累積による副作用を見過ごすことはできないだろう。

問題は、脆弱だと評価される家計の体質は弱い状態から抜け出せず、財政支援への依存度だけが高まることだ。米国だけに限ると、安心することはできない。韓国もワクチンが普及し、全般的な活動は正常化するだろうが、脆弱階層の厳しい雇用市場への進入環境や所得が発生しにくい状況、増えた負債に耐え難い状況が続く可能性があるからだ。
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