[イ・ハクノのコラム社説]対日貿易依存度の低下、今回はちょっと違う?

양정미 기자

登録 : 2021-07-16 12:55 | 修正 : 2021-07-16 13:09

[写真・執筆=東国(トングク)大学のイ・ハクノ国際通商学教授]


政府の素部装(素材・部品・装備)産業支援政策から2年で半導体やディスプレイ核心素材3品目の国産化と輸入国多角化が実現しているという。日本は2019年、韓国裁判所による強制徴用被害者賠償判決に反発し、戦略物資輸出統制のフレームで韓国に対し核心3品目の輸出規制を開始した。韓国が推進した対日素部装備対策とその結果を評価するのは時期尚早であり、よりディテールな情報が必要だ。しかし、韓国の貿易構造の分析や歴史的事例から、その流れは知ることができるだろう。

昨年、韓国は5100億ドルを世界に輸出し、480億ドルの貿易収支黒字を記録した。韓国の貿易構造を大きくみると、日本やドイツから素材を、中東からエネルギーを輸入した後、国内で製造した部品や中間財を中国やベトナムなどへ、完成品は米国や欧州などへ輸出する構造と言える。韓国が多くの赤字を出している国はどこだろうか。最も多い国が日本(200億ドルの赤字)で、その次はエネルギーを輸入するサウジなど中東、資源を輸入する豪州、素材と機械を輸入するドイツなどで、これらの国からの貿易収支赤字は780億ドルに達する。反面、黒字国は中国(香港を含めて530億ドル)、ベトナム(280億ドル)、米国(166億ドル)などだ。

韓国は日本から、一年も貿易収支黒字を記録したことがない。韓国が日本から赤字を出している理由は、ほかならぬ日本は素材や機械類が強いためだ。世界の素材及び機械類大国は日本・ドイツ・米国であるが、我が国は特に日本に対する依存が高い。韓国の対日貿易収支の赤字規模は、2000年代に入り、毎年200億ドルの規模を保っている。

韓国政府は1986年の対日貿易不均衡改善5ヵ年計画を皮切りに、対日貿易収支赤字を改善するための努力を傾けてきた。代表的な政策である輸入先多辺化(多角化)品目制度は5年前の1981年から施行された。

輸入先多角化制度。日本式命名のこの制度は、皮肉にも主に日本の電子製品の輸入を制限する政策だった。ソニーテレビやビデオカメラ、象印の炊飯器、ウォークマンなどは、中年以上の方には懐かしい品目だ。日本の電子製品市場である東京の秋葉原は、1980年代には日本に行く人なら好奇心で一度は必ず寄ったり、日本の製品を分解・組み立てたりして学ぶ、いわゆるリエンジニアリング学習の目的で韓国のエンジニアが常駐するようにしていた場所だった。日本からビデオカメラを旅行携帯品として持ち込んだり、南海岸の無人島のどこかで密輸取引して摘発される事例がマスコミに報道されたりもした時代でもあった。

対日貿易収支赤字改善政策や輸入先多角化政策については、賛否両論が対立した。政策に賛成する側は、韓国が一所懸命に輸出しても、結局、核心を握っている日本だけが儲かることになり、韓国の付加価値は大きくないため国産化すべきだ」という論理だった。反対側は、いわゆる比較優位(Comparative advantage)によって、韓国は韓国が得意なことをして成長するのが賢明であり、敢えて大きな費用をかけてうまくいかない対日貿易不均衡の改善を推進する場合、経済的実益がなくなるということだった。世界サッカーの第一人者であるアルゼンチンのリオネル・メッシは左足が武器だが、あえて右足までうまく使おうとしては、かえって左足の競争力まで低下するという論理と似ていた。

この対日貿易不均衡の改善は、政府の意欲とは違い、国産資本財産業の育成で表われた一部成果を除いては明確な成果を出せないまま、韓国国内産業界の利益擁護と競争制限、輸入先多角化制度運営上の透明性の欠如など批判に直面することになった。対外的には1986年、韓国の貿易収支黒字転換とあいまって、韓国の国際貿易地位が1990年の貿易収支防御が認められていたGATT第18条の国から貿易自由化すべき第11条の国へと転換したことに伴い、輸入先多角化制度を廃止しなければならず、そうした過程で対日貿易不均衡の改善は国民の関心から次第に遠のいていった。

韓国の対日貿易収支赤字をどのように評価すればいいだろうか。韓国の輸出は2001年の1700億ドルから2020年には5100億ドルとなり、毎年6%ずつ成長した。また2000年代には毎年100億ドル水準、2010年代には毎年400億ドル規模の貿易黒字を記録している。同期間、対日貿易収支の赤字規模は、一定の範囲から外れなかった。今や東京の秋葉原市場に行ってもあまり買うものがないほど良い国産製品が多く生産されており、韓国の技術水準も向上した。国際経済学はアダムスミス、リカード、ヘクシャー、オリーンなどの静態的比較優位理論に長い間とどまっていたが、開発途上国が先進国に追いつく貿易現象を説明するために動態的比較優位や製品差別化理論、戦略的産業論などを追加してきた。日本に対する韓国の比較優位構造が動態的に変わり、貿易規模の増加にもかかわらず、対日貿易赤字は一定水準を越えていない。

日本が輸出規制で韓国を圧迫しなかったら、3つの核心素材に対する対策は敢えて必要ではなかっただろう。日本は政治的問題に対して経済的な対応方法を選択し、韓国はプランA、すなわち政治外交的対応ではなくプランB、経済的対応を選択した。これに対して、過去対日貿易不均衡の改善策が明確な成果を上げられなかったように、今回もうまくいかないのではないか、日本のように韓国も政治的な動機を持って推進しているのではないかという批判と懸念があったのも事実である。

1980年代の貿易収支改善対策のように、大々的な対日逆調改善対策は成果も上げることが難しく、利益より損失の方が大きい可能性もある。韓日間の経済関係は互いに対する攻撃と防御で費用を支出するよりは、貿易増大を通じてウィン-ウィンできる。韓日間の全面的な素材戦争に拡大する必要はないだろう。しかし核心技術と部品に対する対外依存を減らし、供給網の完結構造を持つために世界主要国が争っている状況で、今回の核心3品目の関連ニュースは韓国の素部装技術政策の試金石となる肯定的な評価を受けるだろう。
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