[イ・ベクスンのコラム]「先進国」韓国、名声に相応しい国になる時期

양정미 기자

登録 : 2021-07-19 09:43 | 修正 : 2021-07-19 09:43

[写真・執筆=イ・ベクスン法務法人栗村顧問(元駐 オーストラリア・ミャンマー大使)]


筆者は世界各国で勤務している間、韓国とその他の国々を比較しながら、すでに韓国が先進国に入ったという事実を実感していた。特に、韓国の社会インフラとシステムは先進国に劣らないか、ましな状態だ。例えば韓国は全国の隅々や海岸離島までよく整備された道路と橋梁が連結されており、高速鉄道がよく発達して早くも全国が一日生活圏に入っていた。そして、今回のコロナ禍で証明されたように、韓国の医療システムも先進国よりも良い状態であり、オンライン業務処理システムやIT基盤インフラもどの国よりも優れている。また、韓国の自治体にも財政的余力ができ、地域ごとに独特な観光資源を開発し、文化施設を備えていることを見ると、誇らしく思えるほどだ。10年前にすでにソウルに勤務する外国の外交官は、「韓国人が韓国は先進国であることを知らないことに驚いた」と話していた。

このような韓国の発展ぶりが反映され、最近国連貿易開発会議(UNCTAD)で韓国は32番目に先進国入りすることになった。韓国が先進国に公認されたのは、全国民が自負心を感じて歓迎すべきことに違いないが、先進国になれば、先進国らしい役割を果たさなければならないという責任も同時に発生する。韓国はこれまで事実上先進国であったが、国際社会において先進国としての役割を果たすのに様々な面で躊躇してきた。韓国に相応しい新しい役割をしなければならない時が来たのだ。

筆者がこれまで外交舞台で観察した韓国の歩みは、様々な国際懸案に対して韓国の声を出すことができず、周辺の情勢だけを熱心に観察する水準にとどまっていた。例えば、過去の開発援助関連の国際会議で韓国は、しばしば先進国と開発途上国間の論争で両国から同時によく引用される国の一つだったが、いざ韓国代表団は韓国の立場を明確にすることができず、討論を聞いてばかりいることが多かった。先進国は、韓国が開発援助を約20年間あまり受けなくても自主的な輸出主導型経済開発モデルとして成功した国であり、他の開発途上国が真似すべきモデルを提示したと主張した。一方、開発途上国は、韓国は冷戦時代、米国などが戦略的価値を認めて特別支援をしてきたおかげで成長した国であるだけに、韓国のモデルは普遍化できないと主張した。この二つの異なる見方について、韓国代表団が独自の見解で説明をしなければならなかったが、大部分討論を傾聴しただけだった。

私たち自身の経験がかかった問題に対しても見解を表明できなかったため、他の国際懸案に対してはリスナー姿勢(listening mode)でいることが多かった。中東紛争やその他の地域紛争に対して韓国はほとんど立場を明らかにせず、開発援助、人権問題、人道主義的支援、気候変動などの緊急な国際懸案に対しても論議の流れに特に貢献せずに過ごした。実際、韓国の経済規模対比開発援助額の割合は、先進国の平均水準の半分にも及ばない0.14%に過ぎない。そして韓国の外交・安保力量は北核危機が発生してからこの27年間、ひたすら北核問題にだけ集中し、この北核問題がブラックホールのように韓国の外交力量が他の所に分散することができないようにすべて吸い込まれてしまった。そのため韓国は、インド・太平洋戦略、南シナ海問題、米中対立、中国の戦浪外交などについて、意味のある韓国の立場を対外的に明らかにしたケースがほとんどない。しかも、韓国外交だけでなく、韓国のマスコミ報道や国民の意識も、まだ先進国水準に達していない。韓国のマスコミ報道は、国際問題に対する放送時間や紙面の分量が非常に少ない方に属することが分かる。国際問題は大きな災難が発生したり、戦争が起きたりしてから少し取り扱われるだけで、他の国々の事情にはあまり関心がない。トルコ・エチオピア・フィリピン・コロンビア、こうした国々は韓国戦争参戦国だが、これらの国の内部事情を私たちは知ろうとしない。70年前、彼らは韓国というよく知らない国の自由を取り戻すために自国の若者を戦場まで送った国なのに。

しかし、今や世界10大経済大国としての待遇を受け、G7会議に招待される国である韓国が、国際懸案に対して自分の声を出してほしいというのが国際社会の期待だ。これからは韓国が世界が共有する問題について発言していかなければならない。そして国際問題に対してより多くの関心を傾け、韓国の貢献をより拡大していかなければならない。また、韓国の外交の地平を韓半島を越え、全世界に向けて広げなければならない。さらに、韓国の外交と国際業務の力量を育てていかなければならない。これからは中堅国を超えて先進国という名誉に相応しい姿勢で、その名に相応しい行動をするべき時期だ。
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